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☆「ネタとメタとベタ」――『銀魂』の本質は娯楽の王道!……アニメ評論家 氷川竜介☆

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★「ネタとメタとベタ」――『銀魂』の本質は娯楽の王道!……アニメ評論家 氷川竜介

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文:氷川竜介(アニメ評論家)

ビックリして非現実感に心揺らし、笑って泣く。『劇場版銀魂完結篇 万事屋よ永遠なれ』は、まさに娯楽の王道だ。7月20日は宮崎駿監督作品『風立ちぬ』の公開日――それを過ぎても、現在公開中である。であれば、まずヒトコト言いたい。『劇場版銀魂』を未見なら、今すぐ行こう! もし「テレビか配信かソフトでいいや」なんて考えたら、大いなる機会損失になる。あとで「そういうことだったの?」なんて思っても手遅れ。「銀魂体験」ができるのは「いま」だけだ。

たら、大いなる機会損失になる。あとで「そういうことだったの?」なんて思っても手遅れ。「銀魂体験」ができるのは「いま」だけだ。

何もかもが《コンテンツ》という虚しい言葉で語られがちな昨今、「いまここにしかない」というあの高揚感は、ユーザー体験こそが最重要と気づかせてくれた。そんな映画でもある。
少し角度をかえてみよう。『銀魂』の面白さ・楽しさの本質の在処は「ネタとメタとベタ」にある――映画を見終えて、真っ先に思ったのが、それだ。

観た者誰もがネタバレのため沈黙せざるを得ない、映画冒頭の「なんじゃそりゃ!」と絶叫したくなる大仕掛け。普通は絶対にやらない/できないような「ネタ」。そしてスクリーンの向こうにいるキャラが呼びかけてくるような、観客いじり。「映画とはこういうフォーマット」という枠組みさえブチ壊す脱構築の果てに感じる、映画と観客の不思議な一体感が「メタ」だ。

そんな「メタなネタ」で起きた爆笑の連鎖で、劇場の空気が次第に暖まっていく様相が実に心地よい。その上がった気分は次の展開では下降し、上げ下げが続く波動の感覚。そんな限りなく「芸能」に近い感じが、『銀魂』の放つ魅力である。これは集団作業のアニメ制作にとって、本来もっとも苦手とすることである。設計図的プロセスの積みかさねをブチ壊せ! アニメはこんなものと思わせるな! そんな意気込みは、主人公・銀さんの姿勢ともリンクしている。

~略~

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